- アルバイトでも源泉徴収票がもらえる理由と法律上の義務
- 源泉徴収票の受け取り方法やもらえない時の対処法
- 確定申告や転職時に必要なチェックポイントを解説!
アルバイトでも源泉徴収票は必ずもらえる?
アルバイトとして働いていても、正社員と同じく「源泉徴収票」は基本的に交付されます。
特に年末調整や確定申告をする際には、この書類が必要不可欠です。
それでは、どのような場合に源泉徴収票がもらえるのか、またその理由について詳しく見ていきましょう。
法律上の発行義務と対象者
実は、源泉徴収票は法律により、すべての給与所得者に対して雇用主が発行する義務があります。
これは所得税法第226条第1項に明記されており、アルバイトやパートといった雇用形態を問わず、企業が給与を支払った場合はその内容を明記した源泉徴収票を交付しなければなりません。
対象者は、継続雇用に限らず、単発バイトや日雇い労働者も含まれます。
特に年末に在籍していた場合や、年の途中で退職した場合には、年末調整または確定申告のために交付されるのが一般的です。
年収103万円以下でも発行される理由とは?
よくある誤解として、「年収が103万円以下なら税金がかからない=源泉徴収票も不要」と思われがちですが、これは間違いです。
年収にかかわらず、給与が支払われていれば源泉徴収票の発行対象になります。
たとえ所得税が引かれていなかったとしても、支払金額や勤務期間を証明する目的で交付されるべき書類だからです。
特に扶養内で働く学生や主婦の方は、市区町村の住民税申告などに源泉徴収票が必要になるケースもあります。
したがって、「所得税がかかっていないから必要ない」と思わず、必ずもらって保管しておくことが重要です。
アルバイトの源泉徴収票のもらい方
源泉徴収票は企業側が発行し、従業員に渡すことが義務づけられています。
しかし、実際には「いつ・どうやって受け取るのか」「もらえなかったときはどうするのか」が気になるところです。
ここでは、受け取りのタイミングや会社からの入手方法について詳しくご紹介します。
受け取れる時期と一般的な渡し方
源泉徴収票は通常、年末または退職後に発行されます。
年末まで勤務している場合は、12月の給与明細と一緒に手渡しまたは郵送されるのが一般的です。
一方、途中で退職した場合には、退職日から1ヶ月以内に発行されるのがルールです。
会社によっては、PDF形式で電子交付されるケースもあり、メールや社内システムで確認できる場合もあります。
勤務終了後は、「源泉徴収票はいつもらえますか?」と一言確認しておくと安心です。
会社からもらえない場合の対応方法
もし会社から源泉徴収票を渡されなかった場合は、まずは電話やメールで問い合わせることが第一のステップです。
多くの場合、事務処理の遅れや手違いで未交付になっているだけで、連絡すればすぐに対応してもらえることがほとんどです。
それでも対応されない場合は、税務署に相談することで発行を促すことも可能です。
税務署は雇用主に対して交付の義務を再確認し、必要に応じて指導を行ってくれます。
また、確定申告にどうしても間に合わない場合は、給与明細や振込履歴で代替申告する方法もありますが、正式な書類がないと不便なので、できるだけ早く入手しましょう。
源泉徴収票が必要になるシーン
アルバイトであっても、源泉徴収票はただ受け取るだけでなく、さまざまな手続きで活用されます。
特に税務申告や新たな就職先への提出など、意外と必要な場面は多くあります。
ここでは代表的な2つのケースをご紹介し、なぜ源泉徴収票が重要なのかを具体的に説明します。
確定申告をする場合
まず代表的なケースが確定申告を行う場合です。
アルバイト収入が複数ある、医療費控除やふるさと納税などで還付を受けたい場合など、確定申告が必要になります。
その際に源泉徴収票がないと正確な収入や支払税額を記載できず、申告ができないことになります。
特に、還付申告で税金を取り戻したい人にとっては、源泉徴収票は“お金を取り戻すためのカギ”とも言えます。
転職・掛け持ちバイト時の手続き
もう一つの重要な場面が、転職やバイトの掛け持ちをする際の書類提出です。
新しい職場で年末調整を受ける場合、前職の源泉徴収票を提出する必要があります。
これは、年間の所得や既に支払った税金額を把握し、正しく年末調整を行うためです。
もし前職の源泉徴収票を提出しなければ、新しい職場では全額課税されてしまい、結果的に税金を多く払うことになるリスクがあります。
また、掛け持ちしている場合には、副業先の給与を確定申告で合算する必要があるため、源泉徴収票はすべて保管しておくべきです。
アルバイトの源泉徴収票の見方とチェックポイント
源泉徴収票を受け取っても、どこを見ればいいのかわからないという方は多いはずです。
特にアルバイトの場合、記載されている金額や控除内容に注意が必要です。
ここでは、見落としやすいポイントや確認すべき項目について詳しく解説します。
見落としがちな控除項目
まず注目すべきは、「所得控除の額の合計額」の欄です。
この欄には、基礎控除や扶養控除、社会保険料控除などが含まれており、課税所得を減らす重要な要素となります。
アルバイトであっても、学生の場合は「勤労学生控除」、扶養に入っている場合は「扶養控除」などが適用されているか確認しましょう。
控除額が0円になっている場合は、「扶養控除等申告書」を提出していない可能性がありますので、翌年からは提出を忘れないようにしましょう。
源泉徴収税額と収入の確認方法
次にチェックすべきは、「支払金額」「源泉徴収税額」の欄です。
「支払金額」は、その年に実際に受け取った給与総額で、月収×勤務月数で概算が合っているかを確認しましょう。
「源泉徴収税額」は、すでに差し引かれている所得税の金額です。
もし、アルバイト先で丙欄(へいらん)扱いだった場合、一定額が自動的に引かれていることがあります。
年末調整が行われていないと、確定申告で還付されるケースも多いため、過払いがないかチェックすることが大切です。
また、「摘要」欄に書かれている内容も要チェックです。ここには住宅ローン控除や退職所得に関する情報が記載されることがあります。
- アルバイトでも源泉徴収票は必ず発行される
- 年収103万円以下でも発行義務あり
- 年末や退職後に会社から交付されるのが一般的
- もらえない場合は問い合わせ・税務署相談が有効
- 確定申告や転職時に必須となる重要書類
- 控除項目や源泉徴収税額の確認が大切
- 副業・掛け持ちバイトでは全ての源泉徴収票を保管
- 内容を理解することで税金の損を防げる
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