転職時の保険証返却はいつ？手続きの流れと注意点を解説

転職時の健康保険証はいつ返却する？

転職時には、現在の勤務先で発行された健康保険証を必ず返却する必要があります。

これは、健康保険が会社単位で管理されており、退職後はその会社の保険の資格を失うためです。

では、具体的にいつ返却するべきか、また返却しない場合に生じるリスクについて解説します。

退職日までに返却が必要な理由

健康保険証の返却期限は原則として退職日までです。

これは、退職日をもって会社の健康保険の被保険者資格が自動的に喪失するためです。

もし、退職日を過ぎてしまうと、資格がないにもかかわらず保険証を使用するリスクが発生します。

企業によっては、退職時の手続きの一環として、人事担当者が保険証を直接回収することもあります。

郵送での返却を求められるケースもあるため、会社の指示に従いましょう。

返却しないとどうなる？リスクと影響

万が一、健康保険証を返却せずに退職後に使用してしまうと、以下のような問題が発生します。

• 医療費の全額負担：資格を喪失しているため、後日保険適用外とされ、医療費の全額を請求される可能性があります。
• 不正使用によるトラブル：意図せずに不正使用とみなされ、会社や保険組合から厳しく追及されることがあります。
• 新しい保険への加入遅延：前職の保険証が未返却だと、新しい勤務先での保険手続きに影響することがあります。

健康保険証の返却は、スムーズな転職のためにも重要な手続きです。

退職前に会社の指示を確認し、確実に返却しましょう。

保険証返却の手続きと注意点

健康保険証の返却は、退職時に必要な手続きのひとつです。

一般的には会社の指示に従って返却しますが、郵送の場合の注意点や返却時に確認すべきポイントもあります。

ここでは、保険証返却の方法と手続き時のチェックポイントについて詳しく解説します。

返却方法：直接渡す？郵送でもOK？

健康保険証の返却方法には、大きく分けて直接返却と郵送での返却の2つがあります。

【直接返却】

退職日に会社へ出社する場合、人事担当者や上司に直接手渡しするのが最も確実です。

受領確認をとることで、紛失リスクを防げるため、可能であればこの方法が理想的です。

【郵送での返却】

遠方に住んでいる場合や、退職後に郵送で返却を求められた場合は、簡易書留やレターパックなどの追跡可能な方法で送るのがおすすめです。

送付時のポイント：

• 宛先は会社の担当部署（人事部など）を確認
• 送付前に会社の指示を確認し、適切な方法で送る
• 送付後は受領確認を取る（メールや電話で連絡）

送付の際、封筒には「健康保険証在中」と明記し、誤送を防ぐようにしましょう。

返却時に確認すべきポイント

健康保険証を返却する際には、以下の点をチェックしましょう。

• 家族の保険証も返却が必要：扶養家族がいる場合、家族分の保険証も忘れずに返却する。
• 退職日までに有効期限を確認：退職日前に病院へ行く場合、保険証が使えるかをチェック。
• 受領確認をとる：郵送の場合は、会社に到着したことを確認する。

また、返却前に新しい健康保険の手続きを進めておくと、スムーズに移行できます。

転職先での健康保険加入の流れ

転職先で新たに健康保険へ加入する際には、会社側が手続きを行うのが一般的です。

しかし、加入までの期間や手続きの進め方が分からず、不安に感じる方もいるでしょう。

ここでは、新しい職場の健康保険加入の流れと、保険証が届くまでの対応方法について解説します。

新しい職場の健康保険の手続き

転職後、新しい勤務先での健康保険加入手続きは、会社が社会保険の手続きを代行して行うケースがほとんどです。

【手続きの流れ】

1. 入社後、会社から健康保険・厚生年金の加入手続きに必要な書類を受け取る。
2. 必要書類（マイナンバー、扶養家族の有無を確認する書類など）を提出。
3. 会社が健康保険組合または全国健康保険協会（協会けんぽ）に申請。
4. 約1週間～1か月程度で、新しい健康保険証が発行される。

会社によっては、発行までに時間がかかることもあるため、手続きがスムーズに進むよう、早めに書類を提出しましょう。

保険証が届くまでの間の対応

健康保険証が手元に届くまでの間に病院へ行く必要がある場合、以下の対応をとりましょう。

【① 会社に「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらう】

会社が手続きを進めている場合、「健康保険被保険者資格証明書」を発行してもらえることがあります。

この証明書があれば、保険証がなくても保険適用で受診できます。

【② 一時的に全額自己負担し、後日払い戻しを受ける】

保険証が未発行の場合、医療費を一時的に全額負担し、保険証が届いた後に健康保険組合に申請して払い戻しを受けることも可能です。

払い戻しには、領収書が必要なので、必ず保管しておきましょう。

保険証の発行状況について不安な場合は、早めに会社の担当者に確認しておくと安心です。

国民健康保険への加入が必要な場合

転職のタイミングによっては、新しい勤務先の健康保険にすぐ加入できない場合があります。

その際、健康保険の空白期間が発生しないようにするために、国民健康保険（国保）に加入する必要があります。

ここでは、どのような場合に国民健康保険へ加入すべきか、またその手続きの流れについて解説します。

加入が必要なケースとは？

次のようなケースに当てはまる場合、一時的に国民健康保険へ加入する必要があります。

• 転職先が決まっておらず、無職の期間がある
• 新しい職場の健康保険加入までに時間がかかる
• 個人事業主として独立する
• フリーランスとして働く

特に、無保険の状態になると、万が一病院にかかった際に医療費が全額自己負担となるため、注意が必要です。

手続きの流れと必要書類

国民健康保険の加入手続きは、退職後14日以内に行う必要があります。

【手続きの流れ】

1. 住民票のある市区町村の役所へ行く
2. 必要書類を提出し、国民健康保険の加入手続きを行う
3. その場で国民健康保険証を発行してもらう（即日発行されることが多い）

【必要書類】

• 健康保険資格喪失証明書（退職した会社から受け取る）
• 本人確認書類（運転免許証、マイナンバーカードなど）
• マイナンバー（個人番号カードまたは通知カード）
• 印鑑（自治体によって不要な場合もあり）

手続きが完了すると、即日で国民健康保険証が発行されるため、すぐに医療機関を受診することが可能になります。

ただし、転職先が決まっている場合は、新しい職場の健康保険に加入後、国民健康保険を脱退する手続きを忘れずに行いましょう。

【まとめ】転職時の保険証返却と手続きのポイント

転職時には、現在の会社で使用していた健康保険証を返却し、新しい職場の健康保険へスムーズに加入することが重要です。

また、転職のタイミングによっては、一時的に国民健康保険へ加入する必要があるケースもあります。

ここでは、転職時の健康保険に関する重要なポイントを整理します。

【健康保険証返却のポイント】

• 原則として退職日までに返却する
• 直接返却がベストだが、郵送する場合は追跡可能な方法を選ぶ
• 扶養家族の保険証も忘れずに返却
• 未返却のまま使用すると不正使用とみなされる可能性がある

【新しい職場の健康保険加入の流れ】

• 転職後は会社が社会保険の手続きを代行する
• 必要書類を早めに提出し、スムーズに手続きを進める
• 保険証発行までに時間がかかる場合は、資格証明書の発行を会社に依頼
• 保険証が届く前に病院を受診した場合は、一時的に全額負担し後日払い戻し申請をする

【国民健康保険加入が必要な場合】

• 転職先が未定、または新しい健康保険にすぐ加入できない場合は国民健康保険に加入
• 退職後14日以内に市区町村の役所で手続き
• 国民健康保険証は即日発行されることが多い
• 転職先の健康保険に加入後は国民健康保険の脱退手続きを忘れずに

転職時の健康保険の手続きを適切に行うことで、無保険のリスクを防ぎ、安心して新しい職場での生活をスタートできます。

手続きを忘れたり遅れたりしないよう、事前に必要な流れを把握しておきましょう。